「葬儀から一週間経って会社の人が母の病室を訪ねてきたの。そこであたしはその人に言われたわ。何も心配しなくていい、あたしも母もこれまで通りだって。父が北沢副社長側の人間だということをあたしはそのとき初めて聞いたの。そして、北沢副社長が自分の派閥の人間を家族同然に思っているとも。死ぬまで副社長の側にいた父の身内である母とあたしはその忠義に報われる、その言葉通りあたしがお金や生活に困ることはなかった」
中森さんが私に向いた。
「北沢副社長は決して悪い人じゃない。彼は仁義を尊ぶ人なのよ。そりゃまあ自分の敵と判断した相手やその仲間には容赦ないけどね。えげつないことも平気でするし」
「……」
どうしよう。
あのタヌキ、本物のヤの字だったんだ。
中森さんが私に向いた。
「北沢副社長は決して悪い人じゃない。彼は仁義を尊ぶ人なのよ。そりゃまあ自分の敵と判断した相手やその仲間には容赦ないけどね。えげつないことも平気でするし」
「……」
どうしよう。
あのタヌキ、本物のヤの字だったんだ。

