やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 中森さんは私にだけ聞こえるような声でそっとささやいた。
「あんたと三浦部長をくっつけるためにもこの危機は乗り越えないとね」
「中森さん」

 つい胸がじーんと熱くなった。

 やっぱり中森さんはいい人だ。怖いところもあるけどいい人だ。

 それにめっちゃ可愛いし、いい匂いもするし。

「で、あんたと三浦部長がうまくいけば新村くんも目が醒めるでしょうし。あたしと新村くんの将来のためにもここはお互い頑張りましょうね」
「……」

 中森さん。

 私はジト目で彼女を睨んだ。

 さっきの感動、返してくれない?