やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 中森さんと目が合う。

 彼女は私の考えを察したのかうんざりしたようにため息をついた。クソデカため息ってこういうのを言うんだよね。

「だ・か・ら、そんなんじゃないっての」
「う、うん。そうだよね」

 気圧され私はこくこくとうなずいた。

 ううっ、中森さんって目デューサじゃなくても怖い。

 びくびくしていると三浦部長が言った。

「よし、僕の後任の件はこれでわかった。優子は可能な範囲でいいから異動の日取りを遅らせてくれ。新村くんは彼女のサポートを頼む」
「潰さなくていいの?」

 優子さんが部長を見上げる。

 今度は部長がニヤリとした。