やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 たとえイケメンでも、仕事が出来て高収入でもあの三浦部長なんだよ。

 それでもいいの?

「……」

 良くない、と言い切れない自分がそこにいて私は内心驚く。

 いやこれ違うから、何かの間違いだからと必死で抵抗した。もう何を相手に抗っているのかよくわからなくなってきたけどとにかく認める訳にはいかなかった。

「大野」
「ひっ」

 不意打ちのようにかけられた三浦部長の声に私は小さな悲鳴を上げる。身を固くして立ち止まった私を彼は怪訝そうに見つめた。

「いきなりどうした? どこか行きたい店でもあるのか?」
「あ、そうではなくて」

 私は首を振った。