やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 優子さんが目を閉じて部長の肩に顎を乗せる。

「こうしていると私は疲れが取れるしたっちゃんは天使でキュートな優子ちゃんのスピリチュアル効果で余計に疲れを……じゃなくて、やる気が上がって仕事効率もアップするんだよ」
「とか言って単に僕とくっつきたいだけなんだろ」
「うん」
「仕方のない奴だなぁ」

 三浦部長のため息が長い。

 わぁ、何これ。羨まし……じゃなくて。

 本当に二人ってただの同期?

「うーん、たっちゃんの背中あったかい。いいなぁ、これどこで売ってるの?」
「僕の背中は売り物じゃないぞ」
「ええっ、勿体ない。買い手はいくらでもいると思うのに」
「あのなぁ」

 うんざりしたように三浦部長がため息をつく。

 それでも無理矢理優子さんをどかそうとしないあたりは二人の付き合いの長さを示しているのかもしれない。

 ううっ、やっぱり羨ましい。