やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私はデスクの上の紙袋を取って丁寧に開封した。

「あ」

 つい、声が漏れてしまう。

 中にはマフラーとコートが入っていた。クリーム色のマフラーはシンプルなデザインだ。コートはマフラーと合わせやすい色合いで私の安物のコートと比べるのもおこがましいくらい生地がいい。

 ただ、残念なことに私はこのコートに合わせられる色の服がない。

 わあ、どうしよう。

 ……じゃなくて!

 私は部長に向き直った。

「あの部長。これすごーく見覚えがあるんですけど」
「……」

 三浦部長は応えない。

 顔を真っ赤にした彼は私から目を逸らしてしまった。

 どうも今日の私はやたらと彼を怒らせてしまうようだ。