やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私が内心で疑問符を浮かべていると三浦部長が一度言葉を切り、取り繕うようにコホンと咳払いした。

 顔の赤みがますます濃くなっている。

 人間ってこんなに顔を赤くできるんだ。

 などと妙に感心してしまう。

「えっと、その、あれだ」

 三浦部長が言い辛そうにしている。ああ、そういやこれ前にも似たようなことがあったよねと記憶を探るも私の頭では部長ほどのスペックがないからかいつのことだったか思い出せない。

「あの、部長」

 私は訊いてみた。

「前にもこんなシチュエーションありましたよね?」
「……」

 部長が俯いてしまった。

 わぁ、耳まですごい赤い。