やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「よし言うぞ、今日こそ言うぞ。そんな場合じゃないかもしれないがそれでも言うぞ。いやむしろこんなときだからこそ言うぞ。一つ間違えたら次はないかもなんだからな……」

 わぉ。

 何だかよくわからないけど三浦部長がものすごい早口でブツブツ言ってる。

 これ、聞き返してもいいのかな?

 でも、ちょっと怖いなぁ。

 私が迷っていると三浦部長の声がこつんと意識を叩いた。

「大野っ」
「ひ、ひゃい」

 思わず変な声で返事してしまう。

 三浦部長が私が知っている中でベスト5に入るくらいの恐ろしい形相で睨んできた。その視線は私を射貫くどころか焼き尽くさんばかりだ。

「ぼぼぼぼぼぼぼぼ……」
「……」

 ん?

 何これ?