やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 クビになんてなりたくない。

 三浦部長も辞めさせたりなんかしない。

 北沢副社長がものすごい目で私を睨んでくる。その視線だけで相手を殺しかねない威圧感だ。

 やっぱ本職は違う。泣きそう。

 いや本職じゃないかもだけど怖いものは怖い。

 私はお腹に力を込めた。怖いけど今はふんばらなければ駄目だ。私と三浦部長の未来がかかっている。

 あ、未来は大袈裟かな?

「……よしわかった」

 北沢副社長が口を開いた。

「そこまで言うなら三日だけ待ってやる。それまでに何とかしてみろ。できなければクビだッ!」
「ありがとうございます」

 よし、三日の猶予ゲット。

 北沢副社長に頭を下げながら私は胸の奥でそうつぶやいた。