やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 タヌキ……北沢副社長は私たち三人を見遣ると大きく身体を揺らしながらフフンと笑った。

「これはこれはお揃いで。こいつは話が早そうで助かる」
「何かご用ですか、北沢副社長」

 武田常務の声には警戒の色があった。

 にぃっと笑みを広げて北沢副社長が答える。

「ご用も何も、お前さんにそこの二人の処分をするよう命じに来たんだよ」
「はぁ?」

 私は驚きのあまり口をあんぐりとさせてしまった。

 処分って、もしかして私たちクビになっちゃうの?