やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「釜本さん、ご心配はありがたいのですがお心だけで結構ですよ。うちの大野はこう見えて意外と丈夫ですので」
「そうだねぇ」

 ネズミおじさんがうなずいた。

「見たところ何ともないようだしぃ、無理矢理外に連れ出すのはどうかと思うよぉ。女の子と二人っきりになりたいならぁ、もっとスマートにやらないとぉ」
「……」

 うーん。

 なぜだろう、ネズミおじさんも私のこと助けようとしてくれているのに三浦部長ほど頼もしく感じられない。

 しぶしぶといった様子でロバが私の腕を離して席に戻る。ほっとしてため息をついているとネズミおじさんがニヤリと笑った。

「あともう一度言っておくけどぉ、僕も彼女に目を付けているからねぇ」
「……」

 私、無事に帰れるかなぁ……?