やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 ネズミおじさんが目尻を下げる。

「いい食べっぷりだねぇ。若い子はやっぱりそうじゃなきゃぁ。沢山食べてその分大きく育つといいねぇ」
「……」

 ネズミおじさんの視線も私の胸に向かっている。

 あれなの?

 やっぱりおっきいほうが良いの?

 そんなことを心の内でつぶやくとまたもセルフダメージが襲ってくる。ちみちみと削られる私のメンタルポイントは早くも半分以上が赤く染まっていた。

 あ、やばい。

 回復させないと。

 私は隣を見た。

 不機嫌そうな三浦部長の顔がそこにあった。眉間に皺を寄せて口をむすっとさせたその表情はいつもより何割増の苛立ちがあるように思える。とはいえ今はそんなものですら心の癒やしになりそうだった。