やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 え?

 私、狙われてる?

 自分でも少々自意識過剰ではないかと思い直すも一度芽生えた疑念は私の警戒心を強める。私はわざと無愛想に見えるように口をへの字にした。

「私、今は仕事が大事なんで」

 だからあなたとは付き合えません。

 と言外に滲ませる。

 しかしそんなことなど全く気にしないといった口調でロバが会話を続けてくる。

「俺、休日はホームセンターとか家電量販店とかを回るのが好きなんですよ。大野さんはお休みのときに何してます?」
「別に何も」

 あえて素っ気なく返した。

 ね、私あなたには興味ないの。

 察してくれないかな?