やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私の返事は待たずに彼はうどんを食べ進める。ずずずっと啜る音が妙にはっきりと聞こえた。三浦部長は箸の使い方も綺麗だ。実に様になっている。

 ああ、イケメンはずるい。

 まあイケメンは関係ないかもだけど。

「……」

 私は三浦部長の食べる姿を見ながらぼんやりと考える。

 心配してここに来てくれたのかな。

 わぁ、優しい。

 それが例え部下に対するものでしかないとしても嬉しかった。

 そうだよね、私が彼の部下だから気遣ってくれてるんだよね。

 変に誤解したり期待したりしちゃ駄目だよね。

 それでも誤解したくなる私がいて。

 期待してしまう私がいて。

 どうしようもなく胸がきゅうっとしてくる。

 ついでにお腹も「きゅるる」と鳴った。