やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない


 *

「はぁ」

 お昼のピークを過ぎた社員食堂で私はガラガラに空いたテーブルに突っ伏してため息をついた。

 その横にはトレイに載った丼。元はカツ丼だったものは綺麗に食べ終えている。

 ため息をつくくらいの状態なのに食欲が失われていないなんて、我ながら食い意地が張っているよね。

 三浦部長のこと好きって言っちゃった。

 ただし中森さんに、だけど。

 とてもではないが三浦部長本人に伝えられる勇気はない。

 それが出来たらこんなところでため息をついていない。出来ないからついているのだ。