やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私はとうとう堪えきれずに組んでいた手を解いてしまう。

 ゆっくりとその手を中森さんへと伸ばし欠け……。

「ただあれね、あんまり男癖が悪いとろくなことにならないわよ」

 ピタ。

 私は手を止めた。

 中森さんは私の反応に気づいた様子もなく言葉を続ける。やや気恥ずかしそうに早口になっていた。

「まああんたが誰かに刺されてもあたしには関係ないんだけど。あとこれ別にあんたを心配してるとかそんなんじゃないんだからね。変な誤解とかしないでよ」
「……」

 やっぱ抱き締めようかな。

 じゃなくて。