やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「あと一応言っておくけど北沢さんって狙ってる子多いから。あんたは軽々しく手を出そうとしてるかもしれない。でもそれってものすごく危険だからね。北沢さんがどうのってことじゃないのよ。むしろ怖いのはそのまわり」

 顎を上げていた指がツツーッと喉元に滑った。

 とんとんと指で突いてくる。

「わかってると思うけど女は怖いわよ」
「……」

 首肯するのも恐ろしくて目だけでうなずいた。

 中森さんがフンと鼻を鳴らして私の喉元から指を離す。

「ま、あんたが北沢さん狙いの子に何をされようとあたしにはどうでもいいんだけどね」
「……」

 中森さんはちょっぴり頬を赤くしながら私から目を逸らしている。

 わあ、ツンデレだ。

 めっちゃ可愛い。