やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 三浦部長の顔が赤くなった。どうやら部下に生意気を言われたからムカついたらしい。

「か、可愛くて堪らないなんてはっきり言えないだろ。というかあれか、このタイミングで告白しろってことか? 誘っているのか?」
「ん?」

 またぼそぼそとつぶやく三浦部長に私は疑念を強めた。

 そんなに私に聞かれたくないことを口にしているのだろうか。

 うーん、私ってそこまで嫌われているのかぁ。

 すんごいショックだなぁ。

「お、大野」

 わざとらしくコホンと咳払いすると三浦部長は私をじっと見つめた。

 顔の赤みが濃くなっていく。

「……」

 うわっ、これは相当にご立腹だ。

 指摘しないほうが良かったのかな?