やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「早見さん、少し目を離した隙にいなくなったと思ったら何他所で遊んでるんですか」
「えーだって節分なんだし豆撒きくらいしないと……」
「いやそれ自宅でやってください」
「一人で豆撒きしても寂しいだけよぉ」
「じゃあ誰か引っかければいいでしょうに。それで問題解決です」
「私、新村くんじゃないし」
「……」

 何だろう。

 なぜかすんごいくだらないやりとりを見せられてる気がする。

 私はふと三浦部長に目を遣った。

 彼は呆れて物も言えないといった様子で立ち尽くしている。

 そんな彼に新村くんが声をかけた。

「うちの課長が失礼しました」
「あ、ああ。まあいつものことだからな」
「何か本当にすみません」

 新村くんは頭を下げ、無理矢理といった感じで優子さんの頭も下げさせた。正直どっちが上司なのかわからなくなる。

 優子さん、もう新村くんの上司というより出来の悪い姉みたいですよ。