やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない


 *

「……ったく、もう子供じゃないんだぞ」

 両腕を組んで立つ三浦部長は床に正座する優子さんを見下ろしていた。

「はい、ごめんなさい」

 身を縮ませて反省する優子さんが応える。豆撒きというか三浦部長への襲撃から数分後、武器(豆撒き用の豆)を取り上げられた彼女は三浦部長のお叱りを受けていた。

 あーあ、言わんこっちゃない。

 ノートPCのキーを打つ手を止めて私は嘆息した。

 私より年上の優子さんがとても幼く見えて、とにかく残念感がハンパなくてため息が長くなる。エキゾチックな雰囲気の美人が台なしだった。

「それで? 何しに来た?」

 三浦部長の声はものすごく冷ややかだ。

 険しい顔のイケメンがこんな声で訊いてきたら私なら震え上がってしまう。絶対無理。