やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 困ったような表情をして柱谷課長が手を振った。

「いやいや、別に気にしてないからいいよぉ。それに彼女のおかげで経理課はすごく快適で天国だからね。まさに彼女は経理課の女神様だよ」
「じゃあ課長はただの下僕ですね」
「そう? いやぁ、照れるなぁ」
「……」

 柱谷課長。

 それ、照れていいところじゃないです。

 つーか、怒ったほうがいいですよ。

 ……とは言えず。

 いや、何か余計なことを口にしたら石にされそうだし。

 目デューサ中森さん、怖いし。

 とはいえ、柱谷課長の登場で修羅場になりかけだったのは回避できたような気がする。