やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「あの酒臭いおっさんに絡まれていたとき、あんただけがあたしを助けようとした。みんな見て見ぬふりをしていたのにあんただけが介入してくれた。あたし思ったわ。この人案外いい人かもって。まあ結果的にこんなんになっちゃってるけどこれはご愛敬ってことで」

 やや早口に言うと、照れ臭そうに中森さんがプイとそっぽを向く。ほんのりと頬が朱に染まっていた。

「とにかく、ありがとうね」
「……」

 中森さん。

 私、男だったら惚れてたかも。

 めっちゃ可愛いです。