愉快げに中森さんが笑う。
「だって無警戒に置いてあったのよ。誰だって見たくなるでしょ」
「だ、だからって勝手に見るなんて」
「パスワードも誕生日になってたし。あなた安易すぎるわ。もっと複雑なものにしなさいよ」
「じ、自分で憶えられないと意味ないじゃない。てか、どうして中森さんが私の誕生日を知ってるの?」
「そのくらい社員名簿を調べればわかるわよ」
中森さんがフフンと鼻で笑う。
「それにしたって誕生日はないわ」
ひとしきり嘲笑すると中森さんが急に声のトーンを変えた。
「ありがとうね」
「えっ?」
思わぬタイミングでの感謝の言葉に私は戸惑う。彼女の声はとても静かだった。レディースでも極道の女でも目デューサでもない中森さんがいた。
いつもこうしていればいいのにと思えるほど穏やかな中森さんがそこにいた。
「だって無警戒に置いてあったのよ。誰だって見たくなるでしょ」
「だ、だからって勝手に見るなんて」
「パスワードも誕生日になってたし。あなた安易すぎるわ。もっと複雑なものにしなさいよ」
「じ、自分で憶えられないと意味ないじゃない。てか、どうして中森さんが私の誕生日を知ってるの?」
「そのくらい社員名簿を調べればわかるわよ」
中森さんがフフンと鼻で笑う。
「それにしたって誕生日はないわ」
ひとしきり嘲笑すると中森さんが急に声のトーンを変えた。
「ありがとうね」
「えっ?」
思わぬタイミングでの感謝の言葉に私は戸惑う。彼女の声はとても静かだった。レディースでも極道の女でも目デューサでもない中森さんがいた。
いつもこうしていればいいのにと思えるほど穏やかな中森さんがそこにいた。

