やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「はい?」

 言われたことに理解が追いつかず私はこてんと首を傾げる。

 中森さんが手を止めた。

「それと誕生日に予定がないなんて可哀想。あなたクリスマスもぼっちだったのに」
「なっ」

 なぜそれを……って、そのスマホ私のだ。

 私は慌てて中森さんからスマホを引ったくった。身体に巻き付けていたバスタオルが落ちそうになったけど非常事態である。

 まあ見られて減るような身体でもないし。

 むしろ中森さんの胸を分けてほしいくらいだし。

 ウエストは分けてあげたいなぁ。きっと嫌がられるけど。

「……」

 私はスマホを守るように両手で握って中森さんを睨みつけた。