やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 中森さんも明日会社あるよね?

 お休みじゃないよね?

 それなのに夜通し歩いたりしたら……。

 私が浅はかだったせいで中森さんが帰れなくなったんだ。

 彼女を放っておくなんてできない。

 怖い人だけど、それとこれとは話が別だ。

 うん、と私は首肯した。

 胸にはある決心。

「中森さん」

 私は彼女に言った。

「あの、私のアパートに来ない?」

 *

 自分で誘っておいてあれだけどアパートまでの道中が酷く気まずかった。