やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 翌日。

 吐く息がそのまま凍ってしまうのではないかという寒さに身を震わせつつ私は家を出た。

 意識している訳でもないのに街のあちこちにあるバレンタインのハートマークに目がいってしまう。

 バレンタインデーの前に節分があるというのになぜか私の歩く通りには節分っぽさがない。

 いや途中にあったお店の窓には恵方巻の広告が貼られていたのだけどこれは少数派だ。勢力は完全にバレンタインのほうが上である。

 はい節分さん、もう少しがんばりましょう。

 そんなスタンプをどこかに捺したくなる。