やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「あの、彼女嫌がってますよ」

 一応、ネズミおじさんに注意してみる。

「そろそろやめたほうがいいんじゃないですか?」
「ほぇ?」

 ネズミおじさんがきょとんとする。言葉が通じてないのか目をぱちぱちさせて首を傾げた。

「ちょっと、余計なことしないでよ」

 中森さんは迷惑そうだけど、せっかく助けに来たからには何とかしてあげたい。

 私はネズミおじさんの手をとって中森さんのコートの裾から外した。意外と簡単に手を放してくれたので軽く安堵する。