やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

「……」
「何よ、言いたいことがあったらはっきり言いなさいよ」

 中森さんが睨みを強める。レディースとか極道の女といった範疇を超えたヤバさのある睨みだ。呪われそうというか石化しそう。

「ねぇねぇ、僕と飲もうよぉ」
「うっさい! 今はこのあばずれと話してるんだから邪魔すんな!」
「……」

 えっと。

 やっぱり助けなくてもいい、かな?

 でもなぁ……。

 私が苦笑いを浮かべると中森さんの目がさらに吊り上がった。人間ってこんなに目を吊り上げられるんだ、とちょい感心する。とはいえもう目デューサみたいなものなんだから人間だと思わなくてもいいのかも。

 それと胸が残念とかあばずれとか言われた件はひとまず脇に置いてあげよう。人前で侮辱されているけど我慢我慢。