やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 ネズミおじさんに話しかけられ私は背中にぞわっとしたものを感じる。嫌悪感が一気に全身へと広がった。あ、このおじさん駄目だ、生理的に嫌い。

 息しないでほしい。

「ねぇねぇ、いいじゃないのぉ。一軒だけ、一軒だけでいいからさぁ」
「何であんたがここに居るのよ。つーかどういうつもりよ?」

 ネズミおじさんと中森さんの声が重なる。同じタイミングで話しかけてくるなんて、この二人実は相性が良いんじゃない?