やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 私、そんなに期待されるような女じゃないですよ。

 というかちょい待って。

 今、華やかさに欠けるって言いましたよね?

 それ、失礼じゃないですか。

 不穏な気配を察したのか武田常務が苦笑しつつ謝った。

「あーごめん、別に君が可愛くないという意味ではないよ。ただ単に派手さの問題というか」
「ええっと、私って地味ですか?」
「……」

 え。

 どうしてそこで黙るんですか。

 フォローしてくださいよ。

 私、泣きますよ。

 号泣しちゃいますよ。

 私が無言で抗議しているとスマホの振動音が聞こえた。