やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 この忙しいスケジュールの中に私とのお弁当タイムを挟んでくれたのだと思うと胸がきゅんとした。

 私のために時間を割いてくれる彼の優しさが堪らなかった。もうこれだけで今夜はゆっくり眠れそうだ。

 夢だって幸せなものを見れるに違いない。

 私の視線を追った優子さんがはぁとため息をついた。

「もう、こんなときにいないなんてたっちゃんは駄目上司だなぁ」
「……」

 優子さん。

 三浦部長は有能で素敵な上司ですよ。

 優子さんが一万人いても叶わないレベルです。

 声にするとアレなので一応黙っておく。喉から出そうだったけどギリギリ我慢した。

「でも仕方ないかぁ。たっちゃんもいろいろあるしね。常務にお見合いを勧められているし」
「えっ」