やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない

 次はハンバーグだ。

 一口サイズに仕上げているので食べ易さについては自信がある。塩コショウであっさりと味つけしたハンバーグにはバターとケチャップを混ぜ合わせたソースがかかっている。実家にいた頃にお母さんがよく作ってくれたものを思い出してみたのだがこちらはうまくいっているだろうか。

「……」

 私が見つめていると三浦部長が苦く笑んだ。

「おいおい、そんなに見られてると食べづらいぞ」
「あっ、すみません」

 私は慌てて目を逸らす。視界の端で三浦部長がハンバーグを食べた。

「ふむふむ」

 ゆっくり味わう三浦部長がこくこくと首を縦に振る。それが美味いということなのかそれとも別の意味なのか私には判別しかねた。でも、いきなり不味いと言われないだけマシかもしれない。