国道線の標識の下に周は自転車を止めて、一度背伸びをした。

ブルースカイ、時々、真っ白。
ガードレールの向こうの海を見渡す。



ふたり、という単位が好きだ。
ふたり、とは、瀬戸周とつくりあげる、特別な単位だ。



「花ちゃん」
「うん?」


見上げた先で、首をすため男に、サイダーの輪郭を重ねた。


「海、駄菓子屋よってから行こう」



きみは、優しくて、少しだけ眩しい。
笑った1秒後には、きらきらしている。


頷いたら、ぱちん、と泡が弾けた。