「何で、そんな、争いで……?」
「いいえ。わたくしが外に遊びに行って、戻ってきたら、皆消えていました。家族だけではなく、ほかの村人ごと。殺されたと分かったのは後からです。それまでは何一つ分からなかった。分かるまで……二十年くらいの年月が流れていきました。殺されたのだと分かった頃には、もう私のいた村は、地図から消されていましたよ」
「……そんな」
シルウィンが、アウラの顔を見る。するとアウラは「洗い終わりましたよ、湯に浸かりましょう」と言って、シルウィンを浴槽へと導いた。
「作り話を聞いていたほうが、気がまぎれると思って。だからそんな悲しい顔しないでください」
アウラが切なげな声でシルウィンに声をかける。しかしシルウィンの目には、先ほどの身の上話を作り話と称した際に、アウラの仮面の目元から、涙を流すように黒い線が入ったように見えた。
(……アウラは今、どんな顔をしているのかしら)



