「早く、洗い流してしまいましょうね」
丁度湯は、アウラたちの帰りを見越してか温められていた。アウラはてきぱきと湯着に着替える。そしてシルウィンに背を向け、浴場と廊下を繋ぐ扉の前に立った。
「きちんと誰かが入ってくることがないよう見ていてあげますから、大丈夫ですよ」
アウラの言葉が浸透するようにシルウィンの心の奥へと届いていく。シルフィンは言われるがまま破かれたドレスを脱いだ。そして「脱いだわ」とアウラに声をかける。アウラは微笑みながらシルウィンにタオルをはおらせ、そのまま浴場の奥へと導いていく。
そうして中に置かれた椅子にシルウィンを座らせ、カーティスに押さえつけられ痣になっている腕や吐息が触れたであろう首筋を石鹸とタオルで洗い始めた。シルウィンはぼんやりとした頭で一点を見つめる。そんな彼女に、アウラはぽつりと呟くように口を開いた。
「……今日、私は自分の家族を殺したかもしれない者たちに会ってきました」
「……え」



