【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 カーティスは皮肉るように笑う。シルウィンは何度も力なく首を横に振り、「いや……」と声を漏らすが、カーティスはその声を聴くたび興奮している様子を見せた。そうしてカーティスの手がシルウィンの頬へと迫ったその時、二人の背後で物音がする。咄嗟に二人がそのほうへ顔を向けると、真っ青な顔をしたアウラが立っていた。

「カーティス様、どうして……」
「違うんだ。アウラ、この女が誘ってきて、俺は……」

 カーティスが、言い訳を言い終える間もなく、アウラは二人へと駆け寄りカーティスを突き飛ばす。そしてシルウィンを助け起こすと、切り裂かれて露わになった肌を隠すように自分の羽織をかけた。

「シルウィンさま……、シルウィン様」

 アウラの問いかけに、半ば恐怖で呆然としていたシルウィンの瞳に光が宿る。「あ……」とまるで息を吹き返したようにシルウィンが声を発するとアウラは頷き、そして睨むようにカーティスを見た。