【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


(今までのこともあるし、少しは借りを返しておこうかしら)

 シルウィンは、ゆったりとした所作でカーティスに向かって歩いていく。そして静かに微笑みながら上目を遣いカーティスを見た。

「カーティス様」
「なんだ。随分と早く帰ってきたじゃないか。やはり社交に慣れていない人間が、王家の主催する夜会に参加するのは分不相応であったか」
「ええ、その、わたし……気分が悪くて……。酔ってしまったみたいですわ。少し外に涼みに行きたいのですけれど」

 アウラの真似を全力で行うシルウィンを、カーティスは戸惑ったようにして見つめていた。そんなシルウィンとカーティスを、周りの貴族たちも見ている。

「ねぇ、カーティス様、手を貸してくださいますか……」

 ここでカーティスが知らないふりをすれば、カーティス自身の信用度が格段に落ちていく。そのことを分かっているカーティスであったが、それでもアウラとシルウィンを交互に見て「だがアウラを一人にしておくわけには……」とアウラに顔を向ける。