【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 自分に見惚れているのだろうと当初は判断しシルウィンは上機嫌でいたが、カーティスの態度はアウラや御者に対しても同じで、何か得体のしれない気味の悪さをカーティスに感じていた。

(他人の羨望の眼差しは大好きだけれど、この男の目は気持ち悪いわ)

 シルウィンは、自身に向けられる好意の目に敏感である。相手が少しでも好意を向けてくればすぐに分かり、さらにそれを認めたくないと感じながらのものであれば、すぐに察知して無理やり魅力を認めさせようとするほど、他人の注目に貪欲であった。

 シルウィンは自身を好む人間が好きだ。それは共通の趣向を認め合うのと同じ感情であり、シルウィンは相手に好きだと言われれば喜んで受け取れる人間である。それを本人も自覚していたが、今の己を見るカーティスの目はただただ寒々しく、シルウィンはただただ不快感を感じていた。

(おそらく、好まれてはいるだろうけれど。まぁ、そんなこと今はどうでもいいわ。今日の夜会では、なるべく他の公爵家と顔を合わせて行かなければ)

 シルウィンは静かに決意をする。隣のアウラを見ると、同じように決意を固めた瞳を車窓へと向けていた。