好機を得たかのような顔でカーティスはシルウィンを見た。しかしシルウィンは「結構です」と断る。そしてアウラの料理がすべて取り換えられると、カーティスは渋るような顔つきで自分の席に座り、思い出したように口を開いた。
「そうだ。お前たちに報告があったんだ。あと五日後に、夜会がある。王家主催のものだ。本来俺が一人で行きたいところだが、名ばかりの婚約者ではあるが王命での婚約である以上、シルウィンを連れて行かなければならない。しかしシルウィンはずっと辺境にいて王都に関する知識が疎い。社交界がどんな場所であることも理解できているかどうかだ。……悪いがアウラ、ついてやってくれないか?」
「かしこまりました」
カーティスの言葉に、アウラは返事をする。するとシルウィンはアウラに向かって最も美しく見えるように計算した笑みを浮かべ「アウラと一緒に夜会に行けるなんて嬉しいわ」と微笑みかけた。
予想外のシルウィンの反応を前にしたカーティスは眉をしかめ、しばらく考え込んだ後、追撃を放つように「そして」と声を上げた。



