【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 よってシルウィンはお披露目をする夜会ではなく、夕食会までにドレスを完成させることを目指すことにした。

 かといって、夕食会でドレスはあるとカーティスに言い返す気はシルウィンには無い。シルウィンはカーティスの向ける己の悪意を知っている。そんなことを言ってしまえばドレスに何かされるに決まっている。要は、シルウィンの高すぎる矜持がシルウィンを動かしていた。

「そうよ。だって腹立たしいもの。あの男がドレスなんか無いだろうと馬鹿にしてる時に、本当にドレスがない私なんて」

 強く前を見据えるシルウィンを見て、作戦会議と言いながらどちらかと言えば作戦発表だなと思いながらアウラは彼女から視線を逸らした。だが、アウラもただシルウィンに呆れたり、眺めている暇はない。王家主催の夜会にてアウラにはとある目的があった。それを遂行するためには、シルウィンにカーティスを引き付けてもらわなければいけないのだ。

「ねえ、シルウィン」
「なあに」
「カーティスの誘い方を教えてあげようか」
「……どうしたの急に」

 シルウィンが、アウラに疑いの目を向ける。アウラは仕方なく理由を話すことにした。