【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 シルウィンは頷きながらそのドレスに大胆に裁ちばさみを入れていく。アウラはその様子を興味深そうに見つめる。

「ドレスが縫えるの?」
「ええ。私は私に妥協したくないの。それは私を飾るものも同じ。だから覚えたのよ」

 シルウィンは、何てことの無いように話す。しかし令嬢がドレスを縫うなんてことは、前代未聞のことだった。しかしシルウィンは幼少期から矜持も高く我も強い。そして己に対する自尊的感情が人の十倍ある少女である。

 それは自分が着るドレスに対しても同じで、仕立て屋に無理な注文をつけては両親に窘められ、いつしか自分で上質な生地を選び、仕立てるまでになったのだ。それらは辺境で流行し、仕立て屋と協力して売り出すこともあったが、それまでの技術はまだ年が十にも満たない少女のものだった。

 シルウィンは一人でドレスが仕立てられるまでの間ずっと努力を続けた末、とうとう自身が納得する技術を習得したのである。