【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 断言するシルウィンに対して、アウラは感心をした。アウラにとってシルウィンは壁を這い自分を言いなりにしようとしてくる女である。そこそこ利用価値があるからと積極的に排除はしなかっだけで、言ってしまえば自分の嘘を見抜く邪魔な人間だ。しかし今、明確な根拠のある仮説を立ててきたシルウィンに、アウラは興味を覚えた。

「それで、俺が仕立てるよう頼めばいいってこと?」

 アウラは装った口調をやめ、シルウィンに問いかける。

「いいえ。ドレスは借りるわ。それを私が仕立てるの。ここ裁縫道具はあるわよね」
「ええ、机の下に」

 シルウィンはアウラに「借りるわね」と一言伝え、裁縫箱を机の下から取り出して、机の上に置いた。そしてクローゼットから紺のドレスを手に取り「もうこの形には戻れないけれどいい?」と尋ねる。アウラが頷くと、シルウィンは裁縫箱から鋏を手に取った。

「右利き用の鋏と、左利き用の鋏があるのね」
「ああ。刃物を扱う時は左を使うようにしているんだ。でも、別に右でも出来ないことはないよ。普段の食事もカトラリーの類は右利きを想定されたままだし」
「確かに。あなた右で食事をしているわね」