「それで、最初から説明するとあの男の目的は、王家主催の夜会に私を連れていくと発表しつつ、アウラも連れていくし、しかもアウラには高いドレスを見繕うから、みたいな話をして、私をまた落とそうとすると思うのよね」
「なるほど」
アウラはシルウィンを見て、カーティスのしそうなことをよく理解しているなと感じ、今まで悪意に晒され続けたからかと納得した。
「だから、その夜会できちんとしたドレスを私が着て行って、目にもの見せてやりつつ私の妖艶さに惚れさせようと思うの」
そうシルウィンは高らかに宣言をして、今日散々記入していた手帳をアウラに見せつける。アウラはシルウィンが帰りの馬車でもその手帳にしつこく記入しているところを見ていた。しかしその時よりも書き込みは増し、ずっと整理されていた。
「今の流行の主体は、鎖骨を見せないものだわ。けれど私が辺境に居たころから徐々に見せる部分と見せない部分をはっきりとさせるものが徐々に増えていっているの。それでね、百年単位での流行を調べていくと、丁度もうすぐ肩を出したドレス、そしてネックレスではなくチョーカーが流行るわ。それらが流行る前の街の人間の装いも、今日見てきたものと合致してた。そして素材はレースをあしらった感じのもの……。要所に扇と同じ素材を用いたものが流行するのよ! そして色はネイビー、ブルー、グリーンあたりの寒色系ね!」



