「自分の刺繍したハンカチ。渡したりして」
そう零したシルウィンにアウラは思い当たることがあり、「それって黄色の鳥のハンカチ?」と尋ねた。
「ええ。金糸雀よ。王都主催のパーティーで気分が悪くなって庭園を散歩してたんだけれど、そこで介抱してもらって、ハンカチを渡したの。辺境に戻って、きっとお礼のお手紙を送るにも時間がかかってしまうから、押しつけるように渡して」
「……そうなのですね」
アウラは含みのある返事をした。「何か知ってるの?」とシルウィンが問うと、アウラは首を横に振る。しかしシルウィンは瞬時に嘘を見抜いた。
「今度は目元に線が入ったわ。あなたの仮面、そのうち真っ黒になるわよ」
「……それ、利用させて頂きました」
「どういう意味?」
「あの男が、もしやこのハンカチを渡してくれたのは貴女かと聞いてきて、どう見ても思い入れがあるみたいだったもので、そうです。と……。あの男、ハンカチを贈った人物にどうも思い入れがあるようで……」
「っ!?」



