「ああいった存在って、吸血鬼のこと?」
「はい」
「まぁ、いるでしょうねえ」
自然にシルウィンはそう答える。そんなシルウィンにアウラが「そう考える理由は?」と追撃をするように質問した。シルウィンは「だって……」と口を開く。
「私が仮面とか見えてるのよ? 理由なく。だから理由なく吸血鬼もいたっていいじゃない」
当然と言わんばかりにシルウィンは答えて、読み聞かせに耳を澄ませた。そしてめくられていくページを目で追いながらぽつりと言葉を発する。
「初恋、だったのよね」
「え……」
アウラはシルウィンの唐突な言葉に驚きを覚えた。そしてすぐ、自分の話をしようとしているのかと納得する。



