【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 護衛たちも倣うように椅子の傍に向かおうとする。しかしシルウィンはすかさず「読書に集中できないわ。アウラもよね?」と、アウラを見た。シルウィンの考えを汲んだアウラは同意し「待っていて頂けますか?」と護衛に声をかける。

「では、わたくしたちはあそこで待機しておりますので、何かあれば……」

 護衛はアウラに頭を下げ、何か、のときに合わせてシルウィンを見る。シルウィンは気にすることなく護衛を見送り、離れていくのを待った。護衛が遠くで待機したのを見計らい、アウラはシルウィンのほうへと顔を向け、声を潜める。

「ねえシルウィン様、どうしてこちらに」
「ここなら会話が出来ると思って。ほら、書いてあるでしょう。小さな子供がいるから、ある程度の物音は大目に見てほしいって」

 シルウィンが示す方向には、幼き子供の為の書物があることや、それに伴い幼子が音を出す可能性についても触れている。現に今、シルウィンとアウラの少し後ろの方では、図書館の職員たちによって子供たちに読み聞かせが行われていた。