【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 その光景を見たアウラは静かにシルウィンに手を差し出す。護衛はそれを見て焦ったように「アウラ様」と声をかけた。しかしアウラは護衛に笑いかけるだけで、右手を引っ込めようとはしない。シルウィンはそのままアウラのエスコートによって、馬車を降りた。

「ありがとう、アウラ」

 二人はそのまま、図書館へと向かっていった。




「わ……広いわね」

 シルウィンは目の前の大きな建造物に感嘆の声を漏らす。

 馬車を停め、通りを歩いたシルウィンとアウラの前に姿を現したのは、かつての王が出資したことで建てられた王立図書館だ。敷地面積は街の四分の一に匹敵する大きさがあり、大きな筒を模して階層が重ねられた建物は、その外装を外国から特別に輸入した煉瓦で覆われている。弧を沿うように設置された窓は、職人が色をつけたステンドグラスによって彩られ、屋根からは王家の紋章を記した旗が揺れていた。