「きっと、信じたくないと思ったんじゃないかしら。自分の子供に、普通じゃない力が備わっているということが」
「そうかな」
「そうよ。家族は子供を大切に想うものよ。例外もいるけれど」
アウラの返答にシルウィンは疑いの目を向ける。しかしアウラはバルコニーを見つめるばかりで、シルウィンのほうに顔を向けようとしない。シルウィンは気を取り直して、寝台から降りた。そしてアウラに「服貸してくれない?」と声をかける。
「ドレスなら、そのクローゼットの中よ。好きなものを選んでくれて構わないわ」
「ありがとう。あっちの部屋にある服は、本当に洗ってないような埃っぽいものばっかりで……」
シルウィンは愚痴をこぼしながらクローゼットを開いた。するとそこには飛び出しそうなほどのドレスがみっしりと詰まり、互いの布を傷めんとするほど入っていた。
その様相はカーティスが何も考えずアウラにドレスを贈っているということが手に取るように分かり、シルウィンは眉間の皺をさらに深いものにする。しかし苛立ちはぶつけないように気をつけドレスを選び取り、クローゼットから取り出しアウラに顔を向けた。



