【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 鳥のさえずりが聞こえ、静かに目を開く。シルウィンは起き上がりその寝台の感触に感動するような気持ちを覚えた。かび臭くなく、優しい手触り、腰も痛くない。

 シルウィンは感動しながら隣を見ると、アウラは既に起きておりぼーっと天井を見つめるようにしている。昨夜、二人はそのまま同じ寝台で眠った。それはアウラがシルウィンに絶対に手を出さないとシルウィンが見込んでいること、シルウィンがもう硬い寝台で眠ることにうんざりとしていたこと。そして――、

「アウラ! アウラ! 大丈夫か!」

 朝一番に、カーティスがアウラの部屋に訪れることを見越してだ。シルウィンの見立て通り、ノックもせず大きな音を立ててカーティスが部屋へと入ってくる。そして寝台の上で身体を起こし、アウラとともに並ぶシルウィンを見てその額に青筋を立てた。

「貴様! 部屋を飛び出しアウラの部屋に乗り込むなんてよくも謀ったな! 蛮族の分際で俺の愛する者になんたる侮辱! 早くアウラの寝台から出ろ!」

 部屋に入って早々怒鳴り散らし、カーティスは今にもシルウィンを無理やり寝台から引きずり出そうとする。しかしカーティスがシルウィンに手を伸ばした瞬間。アウラは儚げに「カーティス様、おやめください……」と呟き、シルウィンをその胸に抱き込んだ。

「この方はそんな振る舞いなんてしておりません……。バルコニーから外を眺めていたら、薄暗い部屋から、丁度シルウィン様の姿が見えて……わたくしがお誘いしたのです。ねえ……カーティス様。わたくしシルウィン様とお話がしたいのです。しばらくお部屋を同じにして頂いてもよろしいでしょうか……」