【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


「それで、わたくしは何をすればいいのかしら?」
「とりあえず、私をここに住まわせなさい。そして湯あみも一緒になさい」
「……ああ。なるほど」

 アウラはシルウィンの言葉を待たず納得した。シルウィンの望みは、籠城だ。シルウィンがここに訪れたことは、カーティスはいずれ把握するだろう。そして今、シルウィンの置かれている状況は決していい環境ではない。シルウィンがここに来たことが分かれば、ずっと劣悪な部屋に押し込められる可能性が高い。

 しかしもうこの先アウラの部屋から出ないようになれば、シルウィンはこのカーティスが整えたお粗末な鳥籠の中にいることができる。そして風呂も二人で入れば、シルウィンの言う「行水のような目」というのに遭うこともないのだろう。

「いいのかしら、婚姻前の令嬢が男と同じ部屋で、湯あみも一緒なんて……」
「あなたは屋敷で女として通っている以上、どんなに私に惚れぬいても無粋な真似は出来ないはずよ。それに公爵家に偽りを持って入れる人間なのだから、私がどんなに美しくとも手出しはしないでしょうよ」
「どうかしら? 今から押し倒そうと算段を立てているかもしれないわ」
「嘘ね。またその醜い仮面に汚い線が入ったわ」

 シルウィンの勝ち誇った顔に、アウラはそこまで彼女は馬鹿ではないと判断を下した。そしてアウラは、一つ一つ、シルウィンの存在が自分の益になるかを考えていく。